Do you remember me?[旅の思い出]

はじめて一人で海外に行ったのは27年前のベトナム。

その頃のベトナムはまだ観光がはじまったばかりという感じでのんびりしていた。

それだからか、たった1週間の旅行だが、思い出深い。

Do you remember me?

首都ハノイの真ん中にある観光地、ホアンキエム湖で後ろから声をかけられた。

振り返ると見たことがない中学生ぐらい女の子が立っていた。

首からかごをぶらさげ、そこには絵葉書や小さな人形などのお土産が詰め込まれている。

ああ、こうやって観光客に声をかけ、何か買ってくれということなのだな。

 

あなたは賢いね、そうやって言えば脚を止める。

そう私が言うと、彼女は私は本当に覚えている、あなたは2日前にもここに来て、その時は髭があったが、今はない。

SAD、S、A、Dと言った。

うん?

確かにそうだ。

本当に彼女と会ったようだ。

あなたはその時にSee you laterと言ったのにひどい、なんて畳み掛けてくる。

 

たどたどしい英語でのやり取りだが、なんか通じた。

その後、話が弾んで、近くのベンチに腰掛け、日本語を教えたりした。

彼女はもっと幼く見えたが16歳、学校を出て、この商売をしているとのこと。

物売りをしている子供たちはみんな、それぐらいの年齢に見える。

 

次第に物売りにあきた子供たちが私達の周りに集まり、10人ぐらいになった。

誰も私に何かを買ってくれとは言わない。

日本のどこの家にもドラえもんがいるのか?などと聞かれた。

 

途中で新たな物売りの子供が来て、私に絵葉書を買ってくれと言った途端、彼女が怒った。

お腹が空いてきたので、彼女とその友達との3人でご飯を食べに行った。

1時間ぐらいだろうか、ずっと笑っていた。

たいした英語もできないけど、なんか楽しかった。

 

そんなことがあの旅行では毎日何回も起きた。

10年ほどしてまたハノイに行った。

街はすっかりかわり、あの頃のような物売りの子供たちもいなくなってしまっていた。

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